データマネジメント組織を立ち上げた話

Makiko HONJO
Dec 19, 2022

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こんにちは、くるくるです。

今年もアドベントカレンダーの季節なので、会社の LAPRAS Advent Calendar 2022 に参加することにしました。この文章を書いている時点で当番日の23:30です。

育休明けに与えられたミッション

さて、私は2022年4月に育休から復帰したのですが、(余談ですがLAPRASでの産育休第一号になりました)育休復帰後何をやるかはあまりカッチリとは決まっていませんでした。そんな時に依頼されたのが、「なんかデータが使えるようでうまく使えてないからなんとかして(意訳)」ということでした。

そんなことあるかいな?🤔

  • だってデータ基盤がちゃんとあってredashでSQLを書ければ誰でも使えるし
  • 分析レポートもたくさん作成されているし
  • 「データドリブンで意思決定、大事!」という文化もある

超恵まれてない?🤔

と思っていたのですが、よく考えると、

  • データ分析ができる人は多いが、実質的に一部の人しか気軽に分析基盤にアクセスすることができない状況で、新しく入った社員やSQLのスキルがない社員は気軽に誰かに依頼することも難しかった
  • データ基盤の整備はある一人のエンジニアが自主的に整備していた
  • プロダクトの内部構造を知らないと目的のデータが出力できない
  • 個人個人がバラバラに分析を行っていて、知見が流通されていない
  • 同じようなクエリを何度も書いている

などなど、よく考えてみると全社でデータ活用をできているかというと、何か違うかも…ということに気がつきました。

とはいえ振られたオーダーは「データから何かすごいことする組織みたいなの作ってよ」という感じだったので、今のLAPRASのステージでどのような位置付けにするのかを考えたほうが良さそうだと思いました。

自分自身は業務系コンサルの施策立案などでデータ分析によく触れていたのですが、実効性のあるデータ分析を行うにはテクニカル知識とドメイン知識に基づく仮説検証スキルの両方が必要だと感じていました。そして今現在実務に携わっている事業部メンバーの方が、圧倒的にドメイン知識があるということは間違いないので、データだけを扱っている部署がそんなミラクルな成果を出すということは多分ないだろうと思いました。そもそもデータ分析は前処理が7割とか言いますし…

データマネジメントとの出会い

とはいえDXが叫ばれて久しい中そんな悩みを抱えた企業担当者は数知れないだろうと思い、リサーチしたところ、データマネジメントの概念やDMBOKを知ることになったのでした。

データマネジメント知識体系ガイド』は武器になりそうな厚みなので、とっかかりには『実践的データ基盤への処方箋〜 ビジネス価値創出のためのデータ・システム・ヒトのノウハウ』データマネジメントが30分でわかる本』などがおすすめです。書籍も探しましたが、テータ分析やデータ基盤よりの話が多く、探しているような知識は多分まだテキストになっていないのだろうなと思いました。

どうも「この領域はデータマネジメントというらしい」「DMBOKというフレームワークがあるらしい」というところまでがわかったのですが、DMBOKはちょっとテクニカル寄りのフレームワークのように感じました。実際にビジネスでのデータ活用にはもう少しビジネス寄りのプラクティスを知りたいなあと思いました。

むずかしいね 🙄

何をすべきかわからないので、有識者に突撃して色々お尋ねした

そこで、近いステージにあるベンチャー・スタートアップに所属してデータマネジメントを実践していらっしゃる先達に突撃して、色々とお話をお聞きしました。LAPRASのステージからかなり進んだメガベンチャー各社の発信なども大変参考にさせていただきました。

データマネジメントは1社に人材が大量にいるような領域ではないので、会社の枠を超えて情報を得ることの重要さをCSをやっていた時以上に強く感じました。

驚くべきことに、こんな状況なのでぜひお話聞かせてください!と突撃したところ、かなりの確率で「いいですよ!」と快諾いただけ、データマネジメントチーム立ち上げと次に何をしていくべきかなど、有益なアドバイスをいただくことができました。

というわけで私も同じようなシチュエーションで困っている方がいたら、ぜひ情報交換させていただくなどお力になれたらいいなと思っています。(TwitterDMでどうぞ)

説明会を開いた

思い描いていた形の組織は割と筋が良さそうという手応えを感じたので、関係者と話しつつ、ガバナンスを上げてまず組織の箱を作り、社内向けに説明会を実施することにしました。

データマネジメントは事業部内のいわゆる間接部門として発足することになるので、事業部に存在価値を理解してもらい、ニーズを吸い上げて充足していくことがとても重要になります。

説明会で使用した資料

そのため、データ基盤を整備するメンバーだけではなくデータ基盤の利用者をステークホルダーとして組織に位置付け、事業部側の各チームと繋がれるようにするなどの工夫をしています。

組織の立ち上げ時には「実際効果出るかな…?」と結構不安だったのですが、毎月いろいろなチームから依頼が発生しており、今まで不明瞭だったデータ関連の話題の投げ込み先が明瞭になったことで組織の機動性を上げることに一定の成果を出せたかなと思っています。

というわけで締め切り3日後の23時になってしまったので、書くのはここまでにして急いで投稿します🎄

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Makiko HONJO
Makiko HONJO

Written by Makiko HONJO

PdM at LAPRAS Inc. Interested in life course, education and career design for women.

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